Gecko & Tokage Parade 高遠ジャズ&ブルース2025 ヘッドライナーライブレビュー:圧巻の融合と花火の夜

Gecko & Tokage Parade 高遠ジャズ&ブルース2025 ヘッドライナーライブレビュー:融合とグルーヴの圧巻ステージ
2025年9月6日、太陽が高遠の稜線の向こうに沈み、フェスティバルの灯りが柔らかく夜を彩り始める中、Gecko & Tokage Parade が高遠ジャズ&ブルース2025のヘッドライナーとして登場しました。東京を拠点とする彼らは、4人の熟練した音楽家による「長い対話」のようなセットを披露し、繊細さと力強さ、静けさと華やかさを見事に行き来しながら、観客を最初の一音から最後のアンコールまで惹きつけ続けました。
オープニングを飾ったのは『相続探偵メインテーマ』。テレビドラマで親しまれている楽曲に、バンドならではの新しい解釈を加え、緊張感と広がりをもったサウンドで幕を開けました。タイトなリズムと創造的なアンサンブルにより、観客は自然と音の世界に引き込まれていきます。
続く『Clockwork』では、バンドのリズム精度が際立ちました。特に中山拓哉のベースは力強く躍動し、楽曲全体を前へと推進。リズム隊の強固な土台とアンサンブルの緊密さが観客をさらに深く没入させます。
『Run & Gun』では、佐藤航(Gecko)のピアノがリードし、ドラマチックで大気的なトーンを演出。中山の安定感あるベースと穴山昴のダイナミックなドラムが空間に彩りを加え、黒澤継太郎のギターがバランスを支えました。会場は徐々に濃密な音像に包まれていきます。
『Raw』では、佐藤のピアノと黒澤のリードギターが美しく呼応し合い、深い夜の空気を描き出しました。ベースとドラムは安定したグルーヴで厚みを加え、広がりのあるアンサンブルを生み出しました。
『Re:Ground Souls』はレゲエ風のベースラインから始まり、リズムに揺らぎを与えました。遠くに上がった花火が偶然にも音楽の一部となり、幻想的な一幕に。黒澤のギターと佐藤のピアノの絡みが、楽曲に動きと深みを加えました。
『Flower』では、穴山のドラムと中山のベースが緻密に絡み合い、黒澤のギターが大気的な音像を描きました。佐藤のキーボードは主導的な役割を担い、ミッドセクションでのベースソロは夜の空気感をさらに濃くし、観客を魅了しました。
『Core』では、黒澤のギターが冒頭から楽曲を牽引し、佐藤のキーボードと見事に調和。中山と穴山のリズム隊が揺るぎない基盤を築きながらダイナミズムを加えました。終盤には中山がファンキーなベースソロを披露し、楽曲に新たなエネルギーを注ぎ込みました。
『Heart』は緊張感のあるキーボードとドラムの「モールス信号」のようなやり取りで幕を開け、やがて美しい旋律へと展開。中盤ではギターとドラムが高揚感を作り出し、最後は突然の静止で観客を驚かせ、その後の大きな拍手を誘いました。
『Journey』はバンドの集大成ともいえる一曲。佐藤の流れるようなキーボードから始まり、黒澤のファンキーなギターが合流。中盤では中山と穴山がソロを披露し、続いて佐藤と黒澤がそれぞれ独自の声を響かせました。最後は4人が一体となり、力強い音楽的声明で締めくくられました。
アンコールでは『Diver』が披露され、穴山のドラムブレイクから佐藤の鍵盤が重なり、黒澤のギターが高らかに響く中、中山のベースソロが楽曲を地に引き戻しました。最後に全員が一斉に合流し、圧巻のフィナーレを迎えました。
Gecko & Tokage Parade のヘッドライナーセットを特別なものにしたのは、音の細部へのこだわり、ソロを「会話」として自然に組み込むアンサンブル力、そしてリズムと旋律のシームレスな融合でした。高遠の澄んだ空気や遠くの山々、さらには偶然の花火までもが音楽の一部となり、忘れられない夜を作り上げたのです。
高遠ジャズ&ブルース2025のヘッドライナーとして、Gecko & Tokage Parade は日本のコンテンポラリー・フュージョンシーンにおける中心的存在であることを改めて示しました。大胆でありながら繊細、親密でありながら未来志向。観客にとって、それは一生記憶に残る夜となりました。
営業時間
- 月曜日~金曜日 : 09:00 - 18:00
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