2025年9月6日、長野県伊那市高遠町の自然豊かな丘の上で、記念すべき第1回「高遠ジャズ＆ブルースフェス2025」が開催されました。

南アルプスと中央アルプスに囲まれた特別なロケーションに、県内外から300名以上の観客が集結。近隣の市町村だけでなく、新潟や東東京など遠方から訪れた人も多く、その期待の高さがうかがえました。会場には家族連れや友人同士、熱心な音楽ファンが集い、音楽と自然と人の温かさが見事に溶け合った一日となりました。

ここでは出演した6組のアーティストを振り返ります。

黄昏ブラザーズ – 心を温めるオープニング

オープニングを飾ったのはアコースティック・デュオ 黄昏ブラザーズ。二人の息の合ったハーモニーと軽快な演奏は、観客の心を一瞬で掴み、会場全体をあたたかい雰囲気に包み込みました。シンプルな編成ながら、音楽の楽しさを最大限に引き出すそのパフォーマンスは、フェスのスタートにふさわしいものでした。

Don Kururi – 自由奔放な即興の世界

続いて登場したのはトリオ Don Kururi。
小橋拓弥（ギター）、佐藤敬幸（サックス）、原島燎平（ドラムス）による演奏は、ジャズの自由さとロックのエネルギーを融合させたもの。予測不能な展開と大胆な即興が繰り広げられ、観客はそのスリルに引き込まれました。最後に披露した落ち着いたグルーヴは、余韻を残すように山の空気へ溶け込み、観客に深い印象を残しました。

Ikuto Shimizu Organ Trio – グルーヴと精緻さ

3組目は Ikuto Shimizu Organ Trio。
Ikuto Shimizu（ギター）、平光広太郎（オルガン）、浅井翔太（ドラムス）という布陣で、グルーヴ感あふれるジャズを展開しました。緻密なアンサンブルとソウルフルなサウンドが絶妙に絡み合い、観客をリズムの渦へと誘いました。テクニカルでありながら温かみのある演奏に、会場からは大きな拍手が送られました。

Jiro Yamaoka & The Band – ブルースの核心

フェスの中心的存在となったのは 山岡二郎。ソロ演奏から始まり、深みのあるギターと歌声が観客の心を静かに揺さぶりました。その後、バンドメンバーが加わり、ステージはさらに力強さを増しました。

バンドには小山幸則（ドラムス）、新井彰彦（ベース）、近成臣（ギター）、小池哲也（キーボード）が参加。それぞれの個性を活かしつつも、一体感のあるサウンドでブルースの真髄を表現しました。山の澄んだ空気の中で聴くブルースは、特別な感動を与えてくれました。

Shoka Okubo Blues Project – 圧倒的な存在感と特別な共演

続いては Shoka Okubo Blues Project。Shoka Okubo（guitar, vocals）、Minori Hagiwara（bass, chorus）、Makotomo Sonohara（drums）の3人による演奏は、ブルースの力強さとロックの躍動感を兼ね備え、観客を一気に引き込みました。

ハイライトは Jiro Yamaoka との共演。炎のように激しいギターの掛け合いと、互いを尊重し合う演奏は、フェスティバルならではの奇跡の瞬間となりました。観客の歓声が響き渡り、この日一番の盛り上がりを見せました。

Gecko & Tokage Parade – ジャンルを超えるクロージング

フェスのラストを飾ったのは、東京を拠点に活動する Gecko & Tokage Parade。ジャズ、ファンク、ロックを自在に行き来する彼らの演奏は、会場全体をダンスフロアのように変えました。爆発的なエネルギーと美しい旋律のコントラストは圧巻で、観客全員が音楽に身を委ねるように揺れ動いていました。まさにクロージングにふさわしい、鮮烈なステージでした。

来年に向けて – 高遠ジャズ＆ブルース2026

日が暮れ、最後の音が山々に消えていく頃、観客の心には一つの思いが残りました。
「またここに戻ってきたい。」

高遠ジャズ＆ブルースフェスは、音楽と自然、そして人々の温かさを融合させた唯一無二の体験を作り出しました。

次回の開催はすでに決定しています。

📅 2026年8月29日（土） – 同じ場所で再び音楽が響き渡ります。

2025年が「始まり」だったとすれば、2026年はさらに大きく、さらに深い感動を届けることでしょう。